• Asaka OSANAI

釣り糸被害のキアシシギ


夕暮れの名島海岸で、潮がひいた岩礁帯に季節外れのキアシシギ幼鳥が1羽、餌のカニを探していました。

歩き方が不自然で片足を引きずっており、よく見ると左脚の付け根部分に釣り糸が絡まり、ケガをしていました。

旅の途中で被害に遭ったのでしょう、締め付けられた脚は腫れて、肉がふくれあがっています。

かろうじて餌をとることはできているようですが、ケガの状態によっては衰弱して死に至るケースもあります。

キアシシギは北極圏からの渡りの途中で日本に飛来し、オーストラリアまで体ひとつで飛んでいきます。

本来であれば、仲間たちと一緒にオーストラリアに到着しているはずですが、ケガのために体力が失われており、このキアシシギは赤道を越えることが難しいと思われます。



捕獲して釣り糸を外そうと何度も試みますが、あと少しのところで警戒して逃げられてしまいます。

こんなとき、言葉が通じたらどんなに良いでしょうか!


当の本人は痛々しい脚を引きずって餌を捕ろうと必死です。

満潮の時間を狙い、2日にわたり保護を試みましたがタイミングが合いません。


3日目、訪れた寒波が旅立ちを決意させたのでしょうか、ケガをしたまま移動していったようです。

今年の夏にロシアの北極圏で生まれて数か月、おそらく目的地には辿り着けずに命を落としてしまっていると思います。






岩礁帯で餌をとる習性のキアシシギは釣り糸の被害に遭うことが多く、当会が発見した例は今回で5件目です。

負傷したシギを捕獲することができても、人間が与える餌は受け入れず、衰弱して救えなかった例もあります。


大切なのは、負傷する鳥が出ないこと。

釣りをする人が意図せず無益な殺生をしないよう、釣り糸を投げ捨てずに持ち帰る心がけを、心よりお願いいたします。



#釣り糸被害

#野鳥保護

#キアシシギ #GreytailedTattler

#ふくおか湿地保全研究会

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