釣り糸被害のキアシシギ
夕暮れの名島海岸で、潮がひいた岩礁帯に季節外れのキアシシギ幼鳥が1羽、餌のカニを探していました。 歩き方が不自然で片足を引きずっており、よく見ると左脚の付け根部分に釣り糸が絡まり、ケガをしていました。 旅の途中で被害に遭ったのでしょう、締め付けられた脚は腫れて、肉がふくれあがっています。 かろうじて餌をとることはできているようですが、ケガの状態によっては衰弱して死に至るケースもあります。 キアシシギは北極圏からの渡りの途中で日本に飛来し、オーストラリアまで体ひとつで飛んでいきます。 本来であれば、仲間たちと一緒にオーストラリアに到着しているはずですが、ケガのために体力が失われており、このキアシシギは赤道を越えることが難しいと思われます。 捕獲して釣り糸を外そうと何度も試みますが、あと少しのところで警戒して逃げられてしまいます。 こんなとき、言葉が通じたらどんなに良いでしょうか! 当の本人は痛々しい脚を引きずって餌を捕ろうと必死です。 満潮の時間を狙い、2日にわたり保護を試みましたがタイミングが合いません。 3日目、訪れた寒波が旅立ちを決意させたの